日 程:2022年8月4日(木)〜8月7日(日)
集 合:8月5日(金)夕方 茶臼小屋
天 候:8月5日(金)曇り 8月6日(土)曇り 8月7日(日)晴れ
参加者:水上宏一郎 田中 宏 今村 信人 栗秋 慶子 松永 涼汰
行 程:
8月4日(木)
夜行バス組
23:00 毎日新聞社前&24:15京王八王子駅前出発
朝出発組
14:00 畑薙第一ダム発―15:00 畑薙大橋ー15:30 ヤレヤレ峠ー16:45 ウソッコ沢小屋(宿泊)
8月5日(金)
夜行バス組
6:00 沼平ゲート発ー9:00 ウソッコ沢小屋ー9:50 横窪沢小屋―12:30 茶臼小屋(宿泊)
朝出発組
6:05 ウソッコ沢小屋 発ー7:05 中の段―8:00 横窪沢小屋―11:30 茶臼小屋(宿泊)
8月6日(土)
5:00 茶臼小屋 発―5:40 茶臼岳―6:30 希望峰―7:50 易老岳―10:00 静高平―11:00 光岳ー13:30 2381地点(ビバーク)
8月7日(日)
5:00 2381地点 発ー6:00 加加森山ー7:50 ジャンクションー8:20 池口岳北峰ー10:30 ザラ薙平
ー11:40 黒薙ー12:30 牛首ー13:30 池口岳登山口
行動記録:
○8月5日(金)
夜行バス、毎日アルペン号で沼平ゲートまで向かう。久しぶりの夜行バスであったこと、となりの座席も埋まっていて窮屈だったこともあり、あまり寝られないままに林道ゲートに5時30分ごろ到着した。変な体勢で寝ていたからか、首に寝違えたような違和感がある……。別チームの水上さん、栗秋さんは前日入りしており、予定ではウソッコ沢小屋に宿泊しているはずだ。田中さん、今村さん、松永は初日、茶臼小屋まで登り、チームと合流する予定になっている。身支度を整えて、6時ごろゲートを出て林道歩き。ものの数十分ほどで本日の核心?となる畑薙大吊橋へ。かなりの高度感とグラグラ揺れる不安定さ、わずか幅50㎝程度の吊り橋を渡る。それにとても長く、恐怖を感じる時間も長い。100mぐらいだろうか。想像以上にスリリングな大橋である。大橋を超えると急斜面のトラバース。いくつか足場のぬかるみがあり、少し神経を使うトラバース道だ。ヤレヤレ峠をこえると、徐々に地形は沢地形に。当初の予定では、沢の増水を危惧して畑薙山経由の尾根筋を辿るルートを想定していたが、天気も良く一般登山道を歩くこととした。ところどころに沢を渡るための吊り橋がかかっており、最近取り替えて新しくなったものもあれば、いつ底が抜けるやもしれない吊り橋もいくつかあった。ほかにも不安定なハシゴ階段もいくつか。
上河内沢沿いを登っていくと、ウソッコ沢小屋(無人の避難小屋)に到着する。なかを覗いてみると薄暗いけれど、寝るには充分そうな広さだ。のちに聞くと昨晩、栗秋さん、水上さんは貸し切り状態で広々と使ったらしい。小屋をこえると、地形は尾根状を呈し、急登が続く。小屋直後の登りはかなりハードだった。つづくチェックポイントの横窪沢小屋に到着。こちらはウソッコ沢小屋よりも広く、窓がついているからだろうか、室内も明るく雰囲気もいい。利用する機会があればぜひ使いたいところだ。横窪沢小屋を超えてもまだまだ登りは続き、途中1時間おきに休憩を挟みながら疲れ果てて茶臼小屋へ到着。
テント泊予定だったが、水上さんがゆっくり休めるようにと小屋泊に変更してくれていた。ひとり8000円、素泊まり。茶臼小屋は水が豊富で、皆で洗濯をしたり、足を洗ったりと自由気ままに過ごした。(靴下は天候によりなかなか乾かず苦労したが。)屋外のベンチで軽く宴会して20時には消灯。他の登山ツアー客も複数人おり、小屋内は賑わっていた。このとき小屋内では光岳小屋でコロナ感染者がでてしまい、臨時休業となった情報を得て、床についた。
○8月6日(土)
4時おき5時出発のスケジュール。この日は茶臼岳、易老岳、光岳、2381地点でビバークの予定。少し明るくなってきた段階で茶臼岳を目指して登る。小屋からの登りは大したことはない。難なく、2604m茶臼岳に登頂。うっすら日がさす程度で眺望はまったくなし。みな心の目で景色を堪能する。
茶臼岳あたりは森林限界を超えていて、ハイマツ帯が続く道。途中、雷鳥親子に出会う。易老岳までは少しずつ標高を下げていき、気がつけばハイマツはなくなり、樹林に変わっていた。易老岳で出会った登山者から易老渡までは車で入れるらしいという情報をもらう。(タクシー会社によっては上がって来られるみたい)となると、最短で光岳までアクセスできるのはこのルート。次回以降の計画の参考にしたい。
三吉平を超えると明瞭な沢地形に。登りはなかなか苦しい。静高平で明日の行動分の水を補給して小休止。水が涸れていれば、光岳小屋から往復20分かけて水を汲みにいかなければならなかったので、一同ひと安心だった。
光岳からは眺望なく、見どころなし。天気が良ければ綺麗な景色が望めたかもしれないが、ガスってて何も見えなかった。光岳〜ビバーク予定地の2381地点までは事前情報通り迷いやすい道。みんなで道を探しながら、ルートを慎重に選び、進む。踏み跡が複数あり、ほかの登山者も迷っていることが想像できた。尾根形を呈していたので、尾根道さえはずれなければ、問題はないように感じた。2381地点までは途中激しい雨に打たれて、なんとかたどり着く。もう少し先まで行けるかも?というところだったが、雨と疲れで予定どおり、ここで幕営。各々ツェルトを設営し、早めの夕食。18時過ぎには就寝した。(このあたりに小さいヒルが結構いた)
○8月7日(日)
2381地点から加加森山、池口岳(今回の目的の山)、黒薙、登山口まで降りるルート。旅の最終日だ。起きると、朝日に照らされた山々を確認できた。思えばこの山行で山並みが見られたのははじめてかもしれない。今日の天気は期待できそう。2381地点から加加森山までは約1時間程度。苔むした深い森には、これまでに見たことのない景色が広がっている。加加森山の三角点はルートから北西の方角に位置しており、標識はかなり年季が入っていた。ここからは大きく南西方向に進路を変え、途中、倒木が点在する開けたエリアにでて、一同、思わず足を止めて景色を堪能する。素晴らしい景観であった。池口岳と登山口の分岐点であるジャンクションまではやせた尾根道。迷うことはないが、藪漕ぎがあったり、道幅が狭かったりと少し神経を使うルートだ。
ジャンクション手前で休憩とヘルメットを装着し、池口岳までは荷物をデポして山頂へ。補助ロープももったが目立った危険箇所はなく、200mほど登っただけだった。山頂には4テンをひと張りできそうな空間あり。ここでビバークもできそう。池口岳北峰から南西方向には南峰が見え、そのさきにおそらく鶏冠山がある。「この道もかなりいいからぜひ」と水上さんから聞いているので、来年以降?トライしたい。ジャンクションを過ぎてからは緩やかに高度を下げて、長い長い下り。(1000mほど下る)ザラ薙平、黒薙を経て池口岳登山口へ。途中、黒薙では南側の斜面が切れ落ちていてヒヤヒヤしたが、北側にも踏み跡があり、こちらの方が安全に通過できる。
単調な下りでは映画、「シンゴジラ」の話で盛り上がっていた。(面白いらしい)登山口で予約していたジャンボタクシーは約20分遅れて到着。広い車内でくつろぎながら飯田駅へ。駅近くの温泉で汗をながした。(砂払温泉:大人600円。とても良心的なお値段)本来ならここでお昼ご飯も食べることができたが、残念ながらコロナの影響で休業中。温泉から徒歩20分ほどかけて飯田駅へ。「いろはにほへと」という居酒屋で反省会。山行自体は大変充実していたが、バス、電車までの時間がタイトで、お酒を飲む時間が十分に取れなかったのがちょっと心残り。最後はやや物足りない山旅の締めくくりとなった……。(松永記)