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2022.06 足尾バリエーション

日程:2022625日~26

集合:東武日光駅 6/25 9:30

メンバー:森川、田中、赤星、久保、鈴田、大野

行程:

6/25 東武日光駅前9:36→(日光市営バス)→10:15赤倉バス停(市営バス乗り継ぎ)10:2310:30銅親水公園10:3511:30取付き11:4016:00大平山[1959.8](ビバーク)

6/26 大平山(ビバーク地点)3:554:20黒檜岳・大平山分岐(荷物デポ)4:254:45黒檜岳[1976m]5:10分岐(荷物回収)5:151792m6:106:45社山[1826.7]6:55~九蔵雨量観測所8:25~銅親水公園9:20~赤倉バス停9:4010:15赤倉バス停→(日光市営バス)10:25間藤駅

 

6/25

 前日から梅雨が明けたような暑さとなり、この日も朝から真夏のような日差しが照り付け、日光市の予報は最高気温37度となっていた。2日後の月曜日には観測史上最速の梅雨明けが宣言された。

JR日光駅・東武日光駅とわたらせ渓谷鐡道の間藤駅は、他の路線と接続していない行き止まりの駅。この駅間を繋いでいる日光市営バス足尾線を利用して登山口付近まで向かう。

 東武日光駅前の足尾線バス停は、バスターミナルではなく、駅前にある日産レンタカー付近にある③足尾行きと書いてある小さなバス停。調べてもなかなか明確な情報がなかった。バスは座席数15程度のマイクロバス。ICカードは使用できない。JR日光駅発のバスに乗車していたのは1名。東武日光駅からは我々6名とその他2名が乗車。5分ほど遅れて出発。途中1名乗車したが、赤倉バス停に定刻より3分遅れで到着。バス停にはベンチやトイレがあり、暑さのためゆっくりと各自トイレや準備などを行っていると、先ほど降りたはずの日光市営バスが再び現れた。行き先は我々が歩いて向かおうとしている銅親水公園行きである。これ幸い、ゆっくり準備していて良かった等と言いながら迷いなくバスへ乗車。期間運行を期間運休と読み間違えていた反対方面の双愛病院から来たバスであった。炎天下に15分歩かずに済んだのはありがたい。10:30銅親水公園到着。ここからは沢沿いの舗装路、林道を40分程度歩いて尾根に取付く。最初のY字路は左手に進み、その先の橋を渡り左へ進む。しばらく進むと途中崩壊した橋があるが、左側から河原に降り、橋をくぐって林道へ上がった。そこで大学生らしき若い女性二人に会い、野生動物観察に来られたそうだが、今日は暑すぎて野生の動物も現れないと話していた。尾根取付き前に1本入れる。沢でタオルを濡らし首に巻く。この暑さで水は大変貴重である。

 取付きは895m地点、ここから1000mの登り。右手に大きな石があり、その先正面に沢を渡る橋が架かっている手前左手、踏み跡は数か所ある。しばらく急登が続く、このルートで一番の難所である。途切れ途切れではあるが踏み跡は付いている。150m登ったあたりで休憩。この暑さでこの急登は体力の消耗が激しく、その後も150m登るごとに日陰を選びこまめに休憩をとった。風が通るのは唯一の救いであった。想定外に時間を要していたため、途中で作戦会議。明日の行程を考えた今日の最終目標地点は太平山付近でビバーク、そこまで到達できない場合の明日の行程は、朝涼しい間になるべく行動し、社山でエスケープを判断とした。目標が定まったことで少し元気が出てくると、左手の松木渓谷、中倉山、その奥に皇海山、振り返り足尾の町が見える大展望を眺める余裕も出てきた。熱中症のような症状が現れたメンバーもいたが、塩分、ミネラルを意識してとり、ウェアを調整したり、こまめに休憩をとることで持ち直し、16:00太平山に無事到着。ビバーク適地を探し、各自ツェルトを設営。車座になり、野外で宴会。持ち寄った選りすぐりの酒やつまみを分け合い、語らい、笑い、エネルギーをチャージした。マヨネーズが美味しかった。野生動物の住みかにお邪魔しているので、食べこぼしがないように気を付け、ゴミや荷物は外へ置かずツェルト内にしまい、20時に就寝した。

 

6/26

夜半時折雨がパラついた。

 2時半起床。各自朝食、撤収を済ませ3:55出発。歩き出して間もなく遠くにオレンジ色の空が見えてきた。静かに風が吹き、気持ちの良いスタート。黒檜岳への分岐までは平らな樹林帯で何度か道を見失ったが、東へ進み、4:20黒檜岳・大平山分岐に到着。荷物をデポし、黒檜岳へ。ここからは昭文社山と高原地図の破線ルートのため、日光マークが頻繁に設置されていた。黒檜岳は眺望もなく、記念撮影をしてすぐに分岐へ戻った。空はすっかり明るくなり、今日も暑くなりそうだ。荷物を回収し、日焼け止めを塗って社山へ向け出発。ここも破線ルートだが登山道はハッキリとしている。前方には社山、右手には足尾の町や、振り返れば太平山や遠くに中倉山と、開放的で良い眺め。しばらく展望の良い笹原の尾根が続き、左手前方に中禅寺湖と男体山がドーンと目に飛び込んでくる。崩壊地を過ぎ、1792m峰で中禅寺湖を眺めながら休憩。社山まであと少し。風が通らない樹林帯が最後の登りで汗が噴き出す。樹林帯を抜けて再び開放的な尾根に上がり6:45社山山頂に到着。予定より15分早い到着。エスケープはせず、当初計画通り社山南稜を下り銅親水公園方面へ向かう。

 6:55下山開始。尾根が分かれて方向に迷う所が2箇所あったが、都度コンパスで確認し先へ進んだ。このルートは風が通らなく、息苦しい。斜度がきつく、膝に優しくない。しかし、下りは皆早い。途中新しい熊の糞が数か所点在し、見つけるたびにワ~と叫ぶメンバー。この南稜は特に多かった。大平山からここまでの間、鹿の死骸も数か所にあった。ここは獣道。林道以外で登山者には会わず、鹿に2回会った。鹿はぴょんぴょん飛び跳ねていた。1012m地点から先、痩せ尾根を進み、900m付近で右側へトラバースするルートを選択し、林道へ降りた。踏み跡は付いている。社山から約2時間で林道に到着した。林道を銅親水公園へ向かって進み、その先の赤倉バス停まで舗装路を歩き、赤倉バス停に9:40到着。自動販売機でコーラを楽しみにしていたのにまさかの調整中で購入できず。10:15のバスは3分遅れで到着し、間藤駅まで乗車。間藤駅からは、わたらせ渓谷鐡道に乗り、途中の水沼駅直結の温泉に入り汗を流し、食堂でおいしいビールとボリューム満点の定食をいただいた。山と鉄道満喫の充実した山行でした。(大野)

 

メモ

・東武鉄道の特急リバティや、JR特急日光線の東武日光駅乗り入れ等、東京方面から東武日光駅へのアクセスは非常に良い。

・栃木県の電子申請システムにより登山届を提出。

・わたらせ渓谷鐡道は、乗車券を持っていれば水沼駅と神戸駅で途中下車が可能。間藤駅は無人駅のため、事前に東武日光駅ツーリストセンターで乗車券を買った。

・帰りは相老駅でわたらせ渓谷鐡道から東武線特急へ乗り継いだが、駅に売店等が無いため、売店のある太田駅まで東武線各駅で移動後、特急に乗り換える選択もあった。