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2021.07 笛吹川釜ノ沢東俣

日程:2021710日(土)~11日(日)

集合:JR塩山駅 830

メンバー:L森川 SL水上 田中、駿谷、大野

行程

7/10

JR塩山駅8:30(タクシー)→9:00西沢渓谷入口9:159:45二俣~1000鶏冠谷出合~

 11:25山ノ神11:50~入渓~14:50釜ノ沢出合15:001640両門ノ滝 幕営

7/11

幕営地5:00800木賊沢出合8:101230木賊山~1500西沢渓谷入口1540→(バス)→1630塩山駅

 

1日目

8:30塩山駅集合、タクシーにて西丹沢渓谷入口に向かう。今回の沢は、私は、みどるの初年度に体験したきりで凡そ13年ぶりとなる。水量が多いことを気にしながらも鶏冠谷出合の最初の渡渉がスタートする。水はふくらはぎまであり、裸足での渡渉はこの時期でもとても冷たい。

徒渉を終え、いよいよ入渓点の山ノ神まで高巻きとなる。沢の左岸に沿ってホラ貝のゴルジュを経て約1時間20分ほどで山ノ神に到着。早々に装備して入渓する。

入渓して最初はゴーロ歩きとなり、右岸左岸と徒渉を繰り返して進むことになる。やはり水量が多く流れも速いので徒渉するにも場所を慎重に選ぶ必要があり一時たりとも気を抜くことができない。相当な時間ロスだ。ただ、天気も良く、反射する水の色は何とも言えず美しく一時緊張をほぐしてくれる。しばらく進むと左岸に乙女の滝が姿を現した。ここまで入渓して40分。結構時間がかかっている。しばらく進むと大岩壁が現れここで川は大きく湾曲する。その先に現れたのは左岸が滑らかに傾斜したスラブ状のエリアだ。慎重に進むも岩がぬめっている場所で足を滑らせ水没してしまった。安全をきしてロープを出して通過する。その後金沢沢との二俣を過ぎて釜ノ沢に入り、ようやく魚止めの滝にたどりついた。時刻は1450分、入渓してから凡そ3時間だ。みどるの新人の時はここでビバークをしたが、今回は次の日のことも考慮し先に進むことにする。魚止の滝は、右岸のスラブを登り少し傾斜のある場所を過ぎると釜ノ沢名物の千畳のナメが始まる。ここは、サラサラと流れる水の上をひたひた歩くイメージであったが、今回は様子が異なる。水量が多い分、ここでも気を抜けない。やがてこのコース最大のシンボルである両門の滝に到着した。時刻は、1630分。当初の計画ではこの先の広河原まで行くことになっていたが、体力的にも時間的にもここでビバークすることを決定し、本日の行程は終了となった。

早速野営の準備にかかり、水上さん、大野さんはツェルトを他のメンバーは2人用ツェルト2張りをタープとして設営する。続いて水上さんレクチャーにより焚火を興し、宴をスタートさせた。食事は分厚いハムのホイル焼きやベーコンとズッキーニの炊きおかずなど多彩を極め楽しい宴会は夜半までつづいた。

 

2日目

朝5時前、準備を整えスタート。空は曇っているものの雨の心配はなさそうだ。両門の滝の高巻きから始まる。両門の滝の高巻きは随分と登ることを想定していたが、20mほど登って滝上に出るルートがついており意外であった。しかし1日たっても水量は減少することはなく両門の滝上部のヤゲンの滝下部の徒渉は大変危険であると判断し、大きく高巻いて左岸の広河原に懸垂して下りることになった。ここまで出発してから2時間経過しており振り返ると今回遡行の大きな難所の一つであった。

広河原にはそこここに焚火の跡があり、この沢を訪れる多くの人たちがこの地でビバークしていることがうかがえる。我々はこの左岸を川の流れにつきず離れず進む。しばらくほぼ水平の移動が続いた。やがて広河原が終わり沢にもどり標高をあげていくことになる。通常であれば水は枯れ、暗渠となっているが今回はまだまだ水流が見られる。小規模なナメ滝をいくつか登っていくと2,150m付近で木賊山との分岐になる。甲武信へは最後の30mナメ滝を登ることになるが水量が多く必然的に左岸を高巻くことになるのだが、ここで我々はそのまま木賊山につき上げることに方針を変更することにした。いったん稜線に出てその後は急斜面の詰め、そしてシャクナゲのジャングルに悪戦苦闘して、木賊山山頂の登山道にひょっこりと突き上げた。時刻は1230分、ビバーク地を出発して7時間30分であった。あとはしばし休憩して下山開始、西沢渓谷入口に戻ってきたのが16時。下山と同時に雷雲が広がり土砂降りの雨となったが、何とか車に避難することができた。

そのまま塩山の駅に向かい簡単に反省会を行った。天気も何とかもち、遡行自体は水量が多く難儀を強いられたが大変楽しい山行であった。(森川)