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2020.09 飯豊連峰縦走

ガスと風と雨と虫と太陽!山の楽しさ全部入りの飯豊連峰

期 日  202092日(水)~202095日(土)

参加者  田中・森川・星・駿谷・大野

行 程 1日目   東京駅7:44発やまびこ205号→郡山駅9:23着→磐越西線に乗換→会津若松駅

                            10:55着→快速あがのに乗換→山都駅11:37着 星さんと合流

                            →駅前ラーメン屋で昼食→(ジャンボタクシー事前予約)→御前登山口12:27

                            御前登山口12:40出発→横峰14:5816:25三国小屋()

2日目  三国小屋5:20→種蒔山6:25→切合小屋6:54→草履塚7:36→本山小屋10:13→飯豊山10:3211:32御西小屋()

3日目  御西小屋4:24→烏帽子岳6:52→梅花皮小屋7:47→北股岳8:17→門内岳8:55→門内小屋9:23→胎内山9:39→頼母木小屋11:16→大石山11:55-鉾立峰12:42→朳差岳13:04-朳差小屋()

4日目  朳差小屋4:55→朳差岳5:25→カモス峰7:10→林道終点8:4010:50ゲート→

           (ジャンボタクシー事前予約)→道の駅関川14:20→越後下関駅14:35 →新潟駅16:56→東京駅19:00

 

DAY1:92(

東京駅7:44発やまびこ205号に乗車。在来線を乗り継ぎ、1130分 山都駅で新潟方面から来る星さんと合流。

予め予約していたジャンボタクシーが駅前で待っていたが、駅前にラーメン屋がみえる。ここは喜多方、折角なのでとタクシーの運転手さんにごめんなさいをして待っていてもらい、ラーメンでお腹を満たす。川入登山口の先の御前登山口まで約40分、タクシーで乗り入れた。

御前登山口1240分出発。三国小屋まで高低差約1600mの登り。今回の行程で一番キツイ登りである。そして一番荷物が重い。お酒の量が多いのだ。それでも気分が高揚しているからか、横峰までCT0.93時間と計画していたところを2時間で到着した。蒸し暑く汗でウェアはびっしょり。星さんが熱中症のような症状で力が入らない様子。電解質の粉を飲んで少し回復した。そこから更に登りが続き汗は止まらない。地蔵山をトラバースする登山道の脇に水場があった。冷たくて美味しい。その後、風が吹き始め徐々に空が暗くなり、霧雨が降り出した。レインウェアを装着し、三国小屋を目指す。天気予報外れているじゃないか。

三国小屋1625分到着。とても綺麗な避難小屋である。二階に1名、1階に1名先客。我らは1階に寝床を確保。もうこの時間では他の登山者は来ないだろう。

頑張って担いできたお酒でお疲れ!乾杯!!山で飲むお酒の味はなぜこんなに美味しいのだろう。各自持ち寄ったつまみが豊富。今後の山行等の話しで盛り上がった。20時就寝。

 

DAY2:93(

4時起床。520分出発。昨夜から続く強い風。ガスで周りは何も見えないが、気温は高く、上半身半袖、下はレインパンツで霧や朝露を防ぐ。種蒔山を過ぎ、切合小屋636分到着。小屋前に水場あり。水の補給等を済ませすぐに出発。暴風の中耐えながら進む。標高も上がり、さらに風は強くなる。前傾姿勢で進んでも身体が斜めになり、片足を踏み出す瞬間に突風が吹き一瞬身体が持ち上がり、数メートル風に流される。

本山小屋837分到着。風に耐えているため想像以上に身体が疲労している。気温が高めなのが救いである。ここで長めに休憩をとった。管理人がいらしたので、売店営業中。今晩の宴会用にビールを調達し1010分出発。2105m飯豊山1024分登頂。ガスはかかったまま、周りは何も見えない。その先も強風に耐えながら1時間半ほど進み、御西小屋1140分到着。追い風に煽られ、小屋の扉が重くようやく開けて中へ入る。風に耐え抜いて避難できた安堵感。避難小屋のありがたさを実感した。先客は2階に2名。我々は1階に寝床を確保。この天候では他の登山者は来ないだろう。しばらく強い風は止みそうにない。計画ではここで荷物を置き、大日岳へ登る予定であったが、風も強く眺望もないため大日岳は諦め、レインウェアを脱いで乾かす。まだ正午であったが、とりあえず宴会開始。16時過ぎに風が弱まってきた。まだガスはかかったままだったが、暗くなる前に数十メートル下にある水場へ水を汲みに行く。水場から小屋まで戻ってきたところでさーっとガスが晴れ、風も止んだ。目の前に大日岳がドーンと現れた!

宴会の場を屋外へ移し、目の前の大日岳を眺めながら夕日が沈むまで最高のロケーションの中、お酒と景色を堪能した。暴風に耐えてここまで来たご褒美だとそれぞれが感じながら明日の分のお酒まで飲み尽くしてしまった。

 

DAY3:94(

3時起床  420分出発。暗いうちからヘッドライトをつけての出発。朝露で足元が濡れることを想定してレインパンツを履いた。朝から気温は高く、半袖でも暑いくらいだ。徐々に辺りが明るくなり、雲海からの朝日にシャッターを押す。昨日の嵐が幻だったかのような快晴、無風。後ろを振り返り、昨日は何も見えなかった飯豊山を眺めた。木々の緑、空の青、雲海の白のコントラストが朝日に照らされ、眩しく目に入ってくる。これ、これが見たかったのよ。飯豊連峰らしいこの景色。ようやく見ることができた。烏帽子岳手前の登山道で熊の糞を何度も見かけ、歌を歌いながら歩く。しばらく歩くと虫が大発生していて、全身に数十匹まとわりつく。虫除けをしても何も変わらない。頭からかぶる虫除けネットを装着。しかし既におでこや腕、手の甲等、肌が露出しているところは数カ所刺されていた。刺されたところから血が出ていた。痒くなりどんどん腫れていく。ポイズンリムーバーで毒を抜いた方が良かったか?すぐに痒み止めを塗ったが後から痒みはぶり返す。しばらく虫と戦いつつ、クマ除けのために歌を歌いながら烏帽子岳639分到着。烏帽子岳を過ぎると虫がいなくなった。時間帯の問題なのか?虫除けネットを外し、視界はクリアになり快調に進む。

梅花皮小屋723分到着。とても広い避難小屋である。小屋に入ってすぐにザーっと雨が降った。逆方向からきたパーティが雨宿りのために小屋に入ってきた。挨拶をする中で、朳差小屋は水場が小屋内にあり便利で水も豊富でとても綺麗で快適だという情報を仕入れる。週末だけ管理人がいて飲み物が買えるらしい。本山小屋と同じようにビールが買えるのか?と期待が膨らむ。

後から考えればその日は金曜日、週末と言えるのか?安易に鵜呑みにしてしまったために後で苦い思いをすることになる。雨はすぐに上がり出発したが、その後、雲が増え始めだんだん眺望が狭くなっていった。

門内小屋856分到着。予定よりも早く到着。少しの休憩ですぐに出発。しばらく進むと雨が振り出し、レインウェアを装着。胎内岳に到着する頃はガスがかかり眺望はなかった。

頼母木小屋1055分到着。雨は止んでいた。この小屋はキャンプ場みたいに小屋の横に屋根付きの水場があり、飲料用、手洗い用ときちんと分かれている蛇口があった。顔もジャブジャブ洗えるし、水は飲み放題でとてもおいしい。目的地の朳差小屋までは約2時間の行程。あと少し頑張ろうと声を掛け合う。まだこの時点では朳差小屋でビールが買える、水が豊富という情報を信じていたため、残りの行動中の水があれば足りると思い、少量の水を汲んでから出発した。しかし、ここで気付くべきだった。たった今、屋根付きの水場に感動したばかりではないか。水が豊富なのはこの小屋のことだったのだ。

進む先の登山道は乾いていて、空を見ても雨は降りそうにない。ようやくレインウェアを脱ぐ。鉾立峰を過ぎ、いよいよ本日最後の登り高低差約200m。朳差小屋が見えてきた。ゴールが見えてくると不思議と力も湧いてくる。

朳差小屋1305分到着。小屋に荷物を置き、小屋から5分の朳差岳登頂。記念写真を撮り、すぐに小屋へ戻る。小屋へ入り水場を探すが無い。部屋の張り紙に、水場は小屋から10分程度降りた沢と書かれている。もちろん管理人もいない。ハッ。ここで誰もが気付いた。梅花皮小屋で得た朳差小屋の情報は、先ほど感動していた頼母木小屋のことだったのではないか。現時点で、食事用と明日の行動中の水が足りない。すぐに明日進むコースの水場を確認すると、2時間以上水場が無いことに気づく。大誤算だった。梅花皮小屋で朳差小屋の水場のことを正確にとらえていれば、あれだけ豊富にあった水を2時間担いでくるだけでよかったのだ。と後悔しても仕方がない。水を確保するため、できるだけ多くの容器を持ち水場へ向かった。そこには水溜りはあるが沢は水が汲めるほどの流れはなく、プラティパスで水の道を作り、別のボトルに水を流し入れる。水溜りからはペットボトルで水を汲み、プラティパスへ移す作業を繰り返し行った。色々なものが水の中に浮いている。小屋へ戻り、水は水圧で浄水するシステムの浄水器で全て浄水した。濡れた靴や靴下、レインウェアを外に干して、ようやく落ち着き、さてさて一杯やりますかと言いたいところだったが、昨日最高のロケーションの中、ご機嫌で今日の分のお酒までほとんど飲んでしまっていた。ビールは買えない。つまみはあるのにお酒がない。管理人がいたらお酒が買えるなんて安易に考えていた。これも大誤算。田中さんが残しておいてくれたウイスキーを分けてもらい、ちびちびと嗜んだ。我々は1階に寝床を確保。後客1名。そのうちウトウトと昼寝。2階は昼寝をしている間に56名に増えていた。日が沈む前に外に干していたウェアやシューズを取り込み、夕飯。早めに就寝。

 

DAY4:95(

350分起床。455分出発。朳差岳山頂で日の出を待つ。520分陽が昇ってきた。シャッターを押しながら感慨にふける。下山は大石ダムへ向かう東俣コース。とても長い下りである。朳差小屋から分岐する西俣コースは吊り橋の破損等により通行止めになっている。前朳差岳手前の湿原に癒される。天気は最高にいい。今日もまた暑いくらいだ。下りはスイスイ順調に進み、この調子で行くと予定よりも早めに到着しそうだ。大石ダム手前のゲートに11:30くらいとタクシーの事前予約をしていて、下山時間わかった時点で電波の繋がるところで電話をすることになっていたが、途中何度か確認するも全く電波が繋がらない。連絡がつけば林道終点までタクシーに来てもらいたかったが、結局電波は繋がらないまま林道を歩くことになった。標高が下がりかなり暑い。林道が長く続く。すると、ちょっと待って!と最後尾を歩く森川さんから声がかかった。振り返るとゆっくりと片足を引きずるようにして森川さんが歩いてくる。怪我??攣った??と思いながら近寄ると、登山靴のソールが剥がれていた。ソール剥がれの話しは聞いたことはあったが実際に見たのは初めてだ。昨日までの縦走中や下山中に剥がれずに、林道に降りてから剥がれたのは不幸中の幸いである。応急処置として、テーピングでぐるぐる巻きにした。しばらく歩いて再び剥がれかけ、もう一度テーピングで補強した。結局電波は繋がらず、ゲートへ1050分到着。

ここでも電波は一瞬繋がるがすぐに切れてしまい、タクシー会社に電話ができない。そこで健脚の駿谷さんが大石ダム方面の電波の繋がるところまで走って行き、タクシー会社に電話をして戻ってきてくれた。タクシーが到着したのは1130分。結果、予定通りであった。道の駅に併設されている桂の関温泉ゆーむへ向かった。4日ぶりのお風呂は気持ちがいい。ようやくホッとした。

風呂を出て、電車の時間まで外のテラス席で乾杯!昨日お預けだったビールは最高に美味い!鮎の塩焼きや串焼き、おしんこをつまみに反省会。電車の時間に合わせ、道の駅を出発し、越後下関駅舎の待合室で電車を待っていると、駅長さんが部屋に入ってきた。電車がくることを知らせにきてくれたのか?と思っていると、なんと、人数分の手拭いをプレゼントしてくれた!

嬉しいサプライズ。今回の山行は終わりよければ全てよしという気分にさせてくれた。

 

おわり(大野)

DAY1_9月2日

DAY2_9月3日

DAY3_9月4日

DAY4_9月5日