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2013.10 前穂北尾根

期日 2013年10月11日(金)~14日(月)
メンバー L田中、谷口
コース 涸沢テント→北尾根→前穂→吊尾根→奥穂→涸沢
 4:30起床時には曇り空で、かつ、前穂高への尾根はガスに隠れていた。とりあえず食事を取るなど準備をしていると曇り空ながらガスが晴れてきてテント場から前穂高まで見通せるようになったので6:00テント場を出発した。登頂開始点の5/6コルが見えるところまでは昨日偵察をしていた。涸沢ヒュッテの裏のヘリポートから雪渓にそって登ってゆく。20分くらいで左側の岩に「5・6コルへ」の赤ペンキがあり、そこからはつづら折れに踏み跡があった。40分の登りでテントが張れるくらいの5/6コルに到着。ここでハーネスをつけて7:00から登頂を開始した。
 5峰は険しい一般ルートレベルであり、ハイマツ沿いに踏み跡がある。50分で4/5コルに到着。4峰は両手で岩によじ登るレベルで特にマークはなく登りやすそうなルートを選びながら登った。途中からガスがかかり、視界が10m位と先が全く見えなくなった。涸沢側に巻くことはWebのいくつかの記録にあったので途中から巻き道をたどり頂上につき、下降に入った。彷徨しているときに一瞬ガスが晴れ3峰が見えた。ずいぶん奥又側に下っており、登り返し、3/4コルまで1時間20分でたどり着いた。
 3峰は大きな岩の壁にみえて怖気づいてしまったがフラットソールに履き替えると途端に勇気が出てきた。ロープアップし、気合を入れてクライミングを開始した。1ピッチ目は草付のテラスから左にルートを求め、ピトンを発見。そこからは登れそうなピトンに沿って登りロープ30mくらいでセルフビレイした。ピトンはいくつものルートに沿って打ってあり、困難なところはなかった。セカンドに声掛けをしたが風の音とルートが回り込んでいたため声が通らず、意思が疎通しセカンドが上がってる迄に時間がかかった。2ピッチ目から連絡に笛を使うことにした。笛1:ビレイ解除依頼、笛2:ビレイ解除完了、笛3:ロープいっぱい、笛4:ビレイ完了。2ピッチ目はハングした棚を越えてチムニーに足を突っ込み登った。Webではチムニーにチョックストーンがあり、ハングしているとのことであったが実際にはなかった。3ピッチ目からはロープがいらないくらいでピトンもない。ランニングビレイは岩にスリングで賄った。記憶があやふやだが5ピッチくらいで3時間20分で頂上に着いた。
 2峰は3峰から下ることなく50分で到着。ガスがかかっており、1峰が見えない。絶壁に降下点があり、2峰であると認識した。20mくらい懸垂降下したのち、20分くらいで前穂高山頂(1峰)に13:40到着。(田中、下も)
北尾根前の苦労話
 10/10(木)22:00車で出発し、10/11(金)1:30沢渡第4駐車場(岩見平)に到着。5:30に雨の中、起床。7:00タクシーの相乗りで上高地7:30。13:00涸沢でテント設営。5/6コルを偵察。ビール。食事。18:00に就寝。22:00に雨と風の音で起こされる。それからは2:00くらいまでテントを揺るがす風とフライがインナーにへばりつき浸透してくる雨と戦い、寝られなかった。気が付いたら4:30になっていて雨は上がっていたがテントの中は水がたまっており、朝一番の作業は水の掻き出しであった。
北尾根後の苦労話
 10/12(土)14:00前穂高頂上で雪が降り始めた。涸沢まで4時間大丈夫か。紀美子平まで下降し、吊り尾根を奥穂高に向けて急ぐ。途中風が強くなり、雪と風で顔が痛い。手指が痛い。指を曲げ伸ばししながら吊り尾根を急ぐ。結局、穂高岳山荘にエスケープした。悪天候のせいか1畳に一人の好待遇。畳に布団は極楽であった。