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2018.10 霧降高原、女峰山、富士見峠から野門へ

期日 2018年10月20日(土)-21日(日)
参加者3人 L:水上、森川、田中
行程
10/20 JR日光駅C1バス停→霧降高原バス停(終点)9:20-階段上9:50-赤薙山11:05
    -シハス(2,209m)12:09-一里ヶ曽根13:11-水場13:29-14:30女峰山14:40
    -唐沢避難小屋15:21泊
10/21 唐沢避難小屋5:40-女峰山6:25-専女山6:50-7:00帝釈山7:20
    -8:05富士見峠8:20-1650m尾根11:30-1500m林道12:00-野門集落13:50
10月20日(土) 曇り、山頂は雪

 日光は紅葉のハイシーズンにつき中禅寺湖行きのバスは満員だ。最初はバス乗り場がわか らず中禅寺湖行の大行列に並んでいたが森川さんがC1霧降高原行という乗り場であることを 突き止め、誰もいないバス停にたどり着いた。
 先頭に並べたので座れてうとうとしながらバスに揺られて30分くらいで霧降高原に到着。 曇りの間から時々日がのぞく天候ではっきりしない。霧降高原の入り口は「天空の回廊」と 呼ばれている1,445段の階段だ。30分で200mくらい高度が稼げるが足にも負荷がかかる。し かし、ときおり振り返ると紅葉の山並みが美しい。足はつかれるが気持ちはさわやかに階段 を登り切って休憩。
 ここからが登山道だ。尾根道の登りが続く。すれ違う方々はなぜか東南アジア系の人ばか りだ。2,010mの赤薙山までは平坦な個所がなく、登る一方だ。行動一日目の重荷がだんだん と堪えてくる。赤薙山ではほかの登山者から唐沢避難小屋のダニ情報を聞きこみ、夏のダニ シーズンでなくてよかったと胸をなでおろした。
 2,010m付近の女峰山に向かって北進から西進に90度折れ曲がる箇所に「シハス」と書かれ た標識があり、「山と高原地図」や国土地理院地形図にもない場所名だ。こういうところが 現場でないとわからないちょっとうれしいポイントだ。
 一里が塚付近までの平坦地を越すと女峰山への最後の登りが始まる。岩場を超えて北の淵 に立つ。女峰山は南北に長く、山頂は南の端だ。先ほどまでのあられが雪に変わって驚かさ れる。山頂の肩の社に無事を祈願し、山頂に登り記念撮影。曇り空で展望はないが達成感は ある。
 寒くて長居ができないので唐沢小屋に下る。少し下ったところに昭和51年の慰霊碑があっ た。合掌。ここから25分のはずが一向に小屋が見えない。足場もガレていて悪く、雪模様で 濡れていて歩きづらい。どこかで小屋を見落としているか不安に思いながら40分くらい下降 してようやく大きな小屋が見えてホッとした。
 茨城県から見えた先行者が1名おり、くつろいでいた。我々は濡れたカッパを着替えて酒 盛りへ。森川さんがいつも持ってきてくださるビールで乾杯。重いのにいつも一人で担いで くださって感謝します。小屋の中は冷凍庫のように寒く、金峰山の大日小屋に匹敵する。
 そうそうに食事をして18時前に就寝。田中は寒くて4回もトイレに立った。途中耐えきれ ないので体に巻いていたツエルトを室内に張った。やはり、空間があると温まり、ようやく 人心地がつけた。

10月21日(日) 晴れ、朝方は風強し

 森川さんが足首の不調でリタイヤする。前々月の8月の東黒沢山行でひねった足首に違和感 があり、力を入れると痛い。今日はバリエーションルートなので大事を取って東照宮に下山し た。
 水上さんと田中は女峰山に登り返した。昨日と違って晴れ渡った山頂からは360度の展望があり、 感激する。北方に燧が岳、会津駒ケ岳が冠雪している。西南には富士山がやはり白くなってい る。
 山頂の西方に帝釈山への細い尾根がつながっているので下降する。途中「専女山」の標識が あり、これも地図に載っていないプチうれしい出来事だ。専女とは「とうめ」と読み老女や古 狐のこと。
 ナイフリッジを渡り、鎖場を超えて帝釈山への気持ちの良い道中。帝釈山では北尾根を偵察 した。少しおりてみると野門へのルートがうっすら見えている。踏み跡がありそうな感じだっ た。最初は登りで使いたいので今日は予定通り富士見峠から下降することにした。  富士見峠までの下りは400mの高度を下降する。道か沢か釈然としない山道をひたすら下って 明るい峠に出た。
 ここからが本番。基本は破線の道をたどるが九十九折れ箇所でショートカットできそうなと ころはチャレンジするという方針にした。もとは車道だったようで轍がある山道だ。予定通り 2,000mと1,935mの個所は踏み跡を外して藪漕ぎでショートカットに成功し、山道に戻れた。
 その後、山道を辿るが倒木にさえぎられている個所でところどころ、山道を見失ってしまう。 1,800m付近で完全にわからなくなってしまい、地図とコンパスで彷徨し始めた。コンパスの方 向に無理やり進むとシャクナゲのジャングルにぶちあたってしまう。その都度、軌道修正する がそのためかどんどん道を外してしまった。あとでログを見ると1,800m、1,750mと1,700mで大 外れしているがそれ以外はほぼ山道をトレースしていた。つまり、あまりにも歩かれていない ので山道がなくなってしまった箇所がいくつかあるようだ。最後の最後も尾根を外して沢から 50mくらいつめて1,650mの尾根に出たらそこは高速道路だった。
 ここからはスピードアップし、舗装された林道まで小走りだった。
 野門集落には民宿が3軒以上あり、集落自体の規模から多すぎの感があった。洗車している男 性にバス停を尋ねたところ10分くらい下とのこと。しかし、なかなかつかない。そんなとき(う んざりしているとき)、千葉ナンバーの乗用車が路肩に停車し話しかけてきた。環境省の職員の 方で「遊歩道計画」の参考に富士見峠から野門までの道中についての質問だ。「遊歩道」とは 「登山道」のことのようだ。少し話をして一旦お別れしたが20mくらいでもう一度停車し、車に 乗せてくれるとのこと。奇遇にも水上さんのお知り合いの方の後輩だった。そのまま、鬼怒川 温泉駅までお世話になり、大感謝。列車の予約をしてから食事をして帰路に就いた。(田中)