土合口から入渓して間もなく核心のハナゲの滝が現れる。今日は水量が多くゴーゴーと爆音を響かせて豪快だ。 左側の乾いたところを登ろうとするが水が波のように押し寄せてきて足場が難しい。更に左は壁が迫っているので 狭いところを岩に張り付くようにしてやっと登った。仮にロープを出したとしても、滑ったら振られて濁流の中へ
投げ出されるので呼吸困難となって危ない。増水時には自信のない人は左の巻道伝いに登る方が良さそうだ。 途中白毛門沢を左に分け、スラブ状のナメ歩きを楽しむ。適度の小滝が頻繁に現れて飽きさせない良い沢だ。
ロープで確保するような滝はないが、折角持ってきたのだからと1箇所の滝で使うことにした。 リードで登った人からロープが下がってきて何か叫んでいるが水の音が激しくて全く聞こえない。 ロープ手順を打合せしてなかったことに気付いたが後の祭り。ロープ末端をハーネスに固定して一人ずつ登り、
上でビレイするのかと思ったが、そうでもないらしい。ロープ中間にインラインエイトノットを付けて登れ と仰っているのかと思ったがそれも違うらしい。後でわかったのだが、すでに張ってあった残置ロープが信用 できないのでフィックスロープを張ったからロープを掴んで次々に登ってきなさい、という指示であった。
標高1080m付近に似通った二股がいくつかあり、高度計と照合してどの二股か判断しようとしたが、 スマホのGPSと専用グッズのGPSが30mほど食い違っていて確信がもてない。二股の両方へ偵察隊を出して地形 から判断し、スマホに従って事なきを得たが、専用グッズの方を信用するのが普通の感覚ではないだろうか。 機械だからこんなこともあるのかね。
丸山乗越しへ着いた。ガイドブックに赤布が目印と書いてあったが見当たらない。 手分けして藪漕ぎし、反対側斜面に沢が始まる痕跡を発見したので下って行った。 段々明確な沢になり、もっと大きい沢に合流し、それが繰り返されて立派な沢になった。 下りきったところがウツボギ沢との合流点で、更に下って宝川に到着した。
午後は雨の予報があったので宝川が増水しないうちに渡渉を急いだ。 渡渉したのちに沢装備を解いてこれからは一般道。ここでほっと一息つくのが普通の沢登りだが、 この沢はこの後に難行苦行が待っている。宝川沿いに大きく高巻いてアップダウンが激しく、 クサリ場はあり滑落注意の場所あり、そしてこれが長時間続く。
宝川温泉14:52のバスには間に合わず、宝川入口16:59のバスとなった。 水上駅で3分後発車のバスに乗り換えて上毛高原駅到着。 駅前の蕎麦屋で反省会をして盛り上がった。(水上)
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